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いと

「アナタの言葉はまるで鎖のようで気持ち悪い」
 そうなんだと、軽い相づちを打ちながらもベッドの上の男の表情は変わらない。それどころか、骨張った大きな指先は何の滞りもなく紫龍の黒い髪を触れて、柔らかい感触を楽しんでいる。その動きに諍うように、紫龍は溜息を漏らす。
「何か嬉しそうだな、シュラ。俺は怒っているのだが」
「それって、アレか?お前は俺の白百合とか、キャンディーより甘いとか、うさぎのようにふわふわだなとか、犬だったら鍋にして食っちゃうとか、小鳥なら籠の中に入れちゃうとか………」

 紫龍は慌てて遮った。これ以上は聞いて居られない。
「ええ、まあ、そんな感じの、止めて貰えないか」
「なぜ?」
「俺は、そんな賞賛に値する人間ではないからって、俺は怒っているのに、なぜ、アナタは嬉しそうなんだ?」
「怒っているんだ?」その確認さえもどこか楽しそうで、ますます紫龍は苛立ちは募る。
「わざわざ確認することなのか?」
「怒っているように見えないからな。顔、真っ赤だぞ」
 そう、指摘されても紫龍はあくまでガンコだ。

「だって、恥ずかしいからだ。後、アナタの手がヘンな所を触っている」
「ヘンって?」
「判っているクセに」
 ふうと、紫龍は深く大きな息を吐き出した。
「止めて欲しいのは嘘ではない。
その、一言一言に、がんじがらめて縛られているかのようで、ともかく困るから止めて欲しい」
「そうか?俺はお前にがんじがらめにされたいけどな」
 一瞬、目を丸くしたくせに紫龍はすぐにつんと横を向いた。

「したいの間違いではないか」
「お前だって、足をからめたまんまだぞ」
 あっと離れていこうとする温もりをシュラは体ごと、腕で、指先で絡めていく。
紫龍の身体が身震いしている。シュラはそれに気がつかないフリで続けた。

「俺は、鎖じゃなくて、そうだな、糸がいいな。蜘蛛の糸」
「蜘蛛ですか?」
「知っているか、蜘蛛って身体の大半は脳なんだと」
「それが?」
「だから、体全部でお前のコトを思って、考えて、糸でがんじがらめにして、捕らえて、捕まえて、」
「何をするんだ?」
 聞き返す紫龍の目が潤んでいるのは、シュラの指が紫龍の肌の上を跳ねたからだ。

 うーんと、シュラは動きを止めた。単なる言葉遊びのクセに真剣に考えている自分に苦笑する。
「何をしようか?」
「考えてないのか?また、口からでまかせばかりだ。大体、アナタは………」
「でも、お前は本当は俺になら、何をされても良いと思っているくせに」
 その途端、かあと熟れたトマトのように頭を赤らめて、
「もう、意地悪を云わないで下さい」小さな声で呟いた。そんな可愛いことを云うから、何も出来なくなると、男は苦笑する。

「愛している位はいいだろう?俺の可愛い蝶々さん」
「だから、それが余計な一言だと」そう尖らせた口から、くるくる漏れ出る糸に巻き付かれて、
がんじがらめになっているのは、どちらの方なのか知っている男は、その優越感をもう、しばらく楽しむことにした。

 ふんわりと優しいタオルケットの繭の中にくるまれて、二人。

――――――――――――――――――――――――――
糸だったり、愛だったり、意図だったり。
ましろさんがネタ振ってくれたので、がんばってみた。でも、きっとましろさんは忘れている位、前の話です。
(>_<)ゞ



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2014-08-11 : 山羊龍-SS : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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