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Snow prison

「ずっと晴れていたのだが」と、カーテンを開ける紫龍が苦笑いをしている。
「観測史上最高の、最低かな、の大暖冬だったんだが……」
「温かい方がいいだろう」
「シュラみたいに寒さがキライな人ばかりではない」
「キライという程ではないぞ」
 そう云った男は、年下の恋人を後ろからそっと抱き寄せる。
「わっ」
「こうしていても、怒られないからな」
 シュラと、鋭く名前を呼んでも、逆に先刻よりもしっかりと抱き締められる。
「だって、お前が寒そうだから」
「ハダカだからだ」
「だから、くっつている方が温かいだろう」
 その件に関して、紫龍は諦めたのか、それとも、思いの外、居心地がいいせいか、何も云わなかった。
ただ、白い息を吐き出して、窓ガラスを擦った。眼下にあるのは昼頃から降り出した真っ白の世界。
降りしきる雪がライトに当たって、キラキラしている。
「アナタが雪でも降ったら、飛行機が止まるなんて不謹慎なことを云うから」
「止まるだろう。雪に対して何の対策もしてないからなあ、この東京は」
「おあいにく様。夜半には止むそうですから、ご安心下さい」
「それは残念だったな、紫龍」と、名前を呼ばれて本人はちょっと驚く。
「どうして、俺なんですか?」
「だって、好きだろう。雪とか」
「そんなこと、ないぞ」
「じゃあ、そうゆうことにしておこう」
「そうゆうことにしておいて、くれ」答える紫龍の頭にシュラの手がおかれ、紫龍は急に胸が苦しくなった。
 なぜなら、ウソを少しついているから。―――好きなのは、貴方だとはどうしても云えない。
言葉遊びなら尚更だ。まして、雪が降れば閉じ込めておけるなんて、本気で思っているのは子供の証拠だ。
だから、紫龍は先程、ラジオで流れていた天気予報を繰り返す。
「とにかく、良かったな、シュラ」
「そうか、俺の方も準備万端だ」
「荷造り?」
「連絡を済ませた。―――明日は飛行機が止まるから帰れないって」
「えっ?」と慌てて振り返る年下の恋人の額にキスを一つ。
「こうゆうの日本じゃ”備えあれば憂いなし”って、云うんだろう」
「でも、明日、止んじゃったら、どうするんだ?」
「どうするって、その時は帰ればいいだけだろう。―――心配するな」
 瞬間、反射的に問いかけてしまったことの意味と、それを諫めるまっすぐな心根。
そのくせ、思わずシュラの腕を強く握りしめようとした手に自分のそれを重ねて、シュラは口付けをする。
「お前は普段の行いが良いんだから」
「悪いの、間違いでは?」
「ならば、安心して寝過ごせるな。―――念には念を入れて、飛行機のチケットはキャンセル済みだ」
「策士、策に溺れても知らないぞ」
「もう、お前に溺れているから今更だ。お前は違うか」
 返事が上手くできないのはすでにシュラに覆い被されているからだ。いや、違う。
故小野トコは自分を閉じ込めてしまうのだ。誰も手が届かない白い世界へ。

両の腕で。
言葉で。
口付けで。
Sexで。

雨よりも優しく。
雪よりも優しく。

お願い、ずっと、このままで―――。




――――――――――――――――――――――――――
すごい久しぶりで、なんだか小説の書き方を忘れた。
ので、多目にみてやって下さい。


雪は好きですね。
道が雪で塞がって、会社来れなーいって、お休みできるから。うふふ。
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2007-03-13 : 山羊龍-SS : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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