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白き花びら ~Flower~お花と紫龍

こんなに汚い花だっけと云ったシュラに紫龍は目線を白い淡い花から、
隣りに寄り添う頭一つ分高い男に戻した。
「ちょっと盛りが過ぎちゃいましたから。アナタがもう少し早く来てくだされば良かったんですよ」
「そんなもんか?」
「そうですよ。ああ、それか……」

「うん?」
「桜は葬送の花だから。何も無い時はただの普通の花なんですって」
 だから、別に悪いことではないと云うと、笑ってまぜかえされる。

「それも、老師か?」
「違います。本で読んだんです」
 珍しくむくれる紫龍にシュラがくすくすと笑ってから、お前は?と、聞いてきた。
「えっ?」
「綺麗に見えるのか?」
 ええと、紫龍は答えた。
「花がこんなに綺麗なんて知りませんでしたから。――――昔はよく春麗に云われたもんです」
「なんて?」
「本当にそう感じているのって」

 そのことを思いだしたのか、一瞬表情を曇らせた紫龍だが、すぐに笑顔を作った。
「でも、今は春麗が云いたかったことが少し判るような気がします。
――――あの頃は花の美しさなんて、本当は何も判ってなかったんだなって」
「それは今、隣りに居るのが俺だからだろ」
「……自分で云っちゃいますか?それ」
「お前が認めないから」
 悪びれもせずにそう云ったシュラはそのまま、だけどと続けた。

「えっ?」
 その時、風が吹いて花びらが舞い散ったので、一瞬、シュラが何処にいるか判らなかった。
「うん?どうした?」
 シュラを捜して伸ばした手は、本人にちゃんと捕まれている。
「いえ、どうもしませんよ。それより、今、何て仰ったのですか?」
「何って?」
「だから、今ですよ」
「……紫龍は可愛いなあと」
「もう嘘ばかり」
嘘じゃないよと、シュラは聞き返しても笑うばかりで、本当のことを教えてくれない。

「お前もいつか、知るんだろうな」

 だけど、そんな言葉を聞きたくなくて、紫龍は背伸びをして、首筋に手を回して、
捕まえる。唇を塞いで、そして、そのまま瞳を閉じて。

 その白い美しい花が散るいつかまで。
――――――――――――――――――――――――――
拍手に飾ってあったのですが、ちょっとこの連作にあうということで、お引っ越し。
まあ、書いてあったのも忘れていたのですが。(;´Д`)

今、読むと独りよがりな気がするのですが、まあ、ご愛敬ということで。
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2006-10-15 : 山羊龍-SS : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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